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第41回 プロフェッショナル




僕は昔、成人向け雑誌の編集部で働いていました。

Hなマンガの題名となるロゴを作るというのが主な業務で、
編集が持ってくるHなマンガと、
その作品にマッチするロゴのイメージを書いた紙が、
デスクを埋め尽くしていました。

それはそれは破滅的な光景が日常を占拠していた。

毎日毎日、会社の屋上で繰り返される自問自答。

「なんで僕はここにいるんだろう」

マンガの編集を夢見て入った出版社は
夢から一番遠い場所のような気がしていた。

ようするに仕事もそれをしている自分も好きになれなかった。

辞めようと書いた退職届を渡す前に、
発注書を渡される日々が続いた。

ある日人出が足りないということで、
マンガではない成人誌の編集の手伝いをすることになった。

そこでアシスタントについた編集者が、
エキセントリックで歯に衣着せぬ女性だった。

彼女の指示は一つ一つが自信に充ち溢れていた。

女の子にニキビとかシワはいらないから、
もとが誰だかわからなくなるくらい修正して
エロ本はファンタジーなんだから。

僕は誰だかわからない女性の写真をひたすら、
よりだれだかわからない女性に加工していった。

その指示に答えた結果、
夜ごはんをごちそうしてもらえることになった。

薄暗い店内に入り、
メニューを決め、
一口水を含み、
彼女は僕に言った。

「私は心に男性器を持っているの」

店員がテーブルに食事を持ってこようとも、
となりにできたてほやほやのカップルが座ろうとも、
どのようにして心に男性器を持つことができたか、
その過程を話し続けた。

春と夏と秋と冬が一気に去来した気分になった。
ようするに帰りたくなっていた。

立て続けにプロフェッショナルは話し続けた。
「私は私の男性器をたたせるような仕事がしたいの」

僕は僕の男性器が委縮していくのを感じた。


文/北村
イラスト/菊池


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